悲しみも虚しさも
忘れてしまいました
こんな雨の降る夜は
多少の疼きはありますが
ちゃんとご飯は喉を通ります

喜びも悦びも
忘れてしまいました
こんな風の吹く夜は
多少の蠢きはありますが
ちゃんと睡魔がやってきます

汗で黄ばんだ万年床
かび臭い部屋の真ん中で
わたしは窓に背を向けて
目を閉じてばかりいるのです

新しい朝
新しい光
新しい匂い

窓を開けたらいいのです

ただ
怖くて
背を向けてしまうのです