2013-01-01から1年間の記事一覧

イコール

春には桜 夏には海 秋には紅葉 冬には雪 君には笑顔 けれど 僕には似合うものが見つからないよ父にはネクタイ 母にはエプロン 兄には鉛筆 妹にはランドセル 君には笑顔 けれど 僕には見つからない 僕=エックス *********************…

木偶のダンス

削る 蓄えたものを彫る 噴き出したものを研ぐ 尖ったものを磨く へこんだものを刻む 息吹を木偶が糸をぶっちぎって 華麗なダンスを****************************************************ライブ映像は…

広げた地図に墨を塗り 丸めて燃やした メラメラと燃える焔を睨む 燻った燃えかすを踏み 灰を拾って酒と一緒に飲み込んだ歯向かう先は俺だ 刃向かう先は俺だ立体的に生きる 柱はここにあるじゃないか***************************…

当たり前にくる明日など あってたまるか一寸先は断崖だ引き返せる昨日など あってたまるか一寸うしろは闇だ今日という微かな灯を頼りに 明日につなぐ橋を 天井にかけるしかない病室に仰向けのまま 涙を凍らせ 焦りと不安 悲しみと憤りを閉じ込めて 静かに牙…

海の揺りかご

海の揺りかごひとしきり誰かを乗せて かもめが鳴いたら 旅立ってゆくのです次の誰かのもとへ 流れてゆくのですこの波が止まらないのと同じように 譲り受け譲り渡すのです日が昇っては落ちまた昇るように 否応なく譲り受け 否応なく譲り渡すのです *****…

やじろべえ

短い右手に大きな荷物と 長い左手に小さな夢を倒れそうで倒れない ゆらゆらゆらゆら やじろべえ短い右手に重い荷物と 長い左手に軽いジョークを崩れそうで崩れない ゆらゆらゆらゆら やじろべえ前を見据えて やじろべえ******************…

飴玉

ぽかーんと勝手に口が開いた ふわりと飴玉を放られたどうだ うまいだろう優しいけど甘くない元気玉 笑顔がジュワーと湧いてきたうん うまい僕はごくりと飲み込んだ *******************************************…

それでも言葉を刻むのは

言葉は孤独を刻み 羽交い絞めにする 命を追いながら 追われているかの如く言葉は鼓動を刻み 羽交い絞めにする 脈々と連なり 途切れを許さんが如く言葉は生を刻み 羽交い絞めにする もがくほどに 絡まった命が 離れてゆくかの如く言葉は性を刻み 羽交い絞めに…

名もなき魂

小さな光の残骸を残して お前は海に旅に出たんだな孤独に彷徨い震えてはないか この手を合わせ祈るほかない別れではあるが さよならを飲み込み 足元を大地にめり込ませ 構えている海へ空へ 名もなき魂よ 流れ流されようとも登れ登れ 名もなき魂よ ここまで戻…

背徳のビーナス

雨風に晒され傷だらけの神殿で ビーナスは肌をあらわにし 一夜一夢を奏でる愛愁の旋律は 霧雨のような柔らかい微笑みで わたしを包み込む喝采と悲鳴が渦となり あらゆる汚濁を浄化し 天空へ巻き上げてゆく金星のごとく輝く瞳を 我が物にしようと くちづけを…

金木犀

雨上がりの道端に散らした山吹色 立ちのぼる金木犀の香りが体中を駆け回る僕は逃げ出した ただ恐かったからだ どうしていいかわからなくなって 影が溶けてなくなるまで 走ったんだとうとう疲れ果て 大の字に寝そべると 鼻の奥に残る金木犀の香りに 胸が締め…

流れものの魂

流れものの魂に さよならと言うには あまりにも短すぎるが流れものの魂に さよならと言えずに 明日を待つより流れものの魂に さよならと言って 見送るよ流れものの魂は どこに行くというのか流れものの魂は どこに向かうというのかさよなら 永遠の魂よ***…

風船

しぼんだままの風船をもって旅にでよう生を吸い込み生を吐き出し膨らまそうそして手を離そう飛んでくれたらいいなパンと弾けたら僕を離そう飛んでくれたらいいな ********************************************…

遠くにいる君へ

遠くにいる君へ 別に会いたいわけじゃない ただ 元気かと気になった遠くにいる君へ いつか会いたいかもしれない ただ 伝えたいことがあるわけじゃない遠くにいる君へ やっぱり会いたいかもしれない ただ どんな顔をすればいい遠くにいる君へ すぐに会いたい…

夜明け前の夜

種を見たことがありますか お前さんは花を摘もうとしてますが心を見たことがありますか お前さんは愛を掴もうとしてますが根を見たことがありますか? お前さんは実を摘もうとしてますが地を見たことがありますか? お前さんは空を掴もうとしてますが夜明け…

あいの唄

ああ さようなら いや ありがとうああ さようなら いや ごめんなさいああ さようなら いや お元気でああ さようなら いや こんにちはあいの唄 ひとりぼっちの あいの唄*****************************************…

立川のつむじ風

勇んでかわされ 守ってすかされ 鉄板はグニャリと曲がり 穴掘って埋もれ 描く青写真はゴミ箱の中ビリビリ破って 紙吹雪立川の風はつむじのように ぐるぐる回る二月の夕焼け 財布は軽く足取り重く文句の一つも言いたくなるが お前に捧げた人情車券 グッと堪え…

白黒の街で途切れた紐を やっぱり結ぶのは 好きだと言いたいからさビー玉に 蝶々が止まったら まちがっちゃったねと わははは笑ってやろうぜ重たい空にぶら下がってる紐を 何度だって引っぱるのは 好きだと言いたいからさくす玉が割れて 残念でしたと垂れ幕…

人間ごっこ

垂れ流しの寂しさは 肥溜めのダムに集められ 機械的な文字の共鳴に ひとしきりの安らぎを得る人間ごっこそれだっていいんだいつかスクリーンを飛び出して人間になろう******************************************…

穂が北風に吹かれ たおやかに揺れているサラサラサラサラ サワサワサワサワ地に足つけて 遊び心を奏でてる ****************************************************ライブ映像はこちら http://d.hatena.…

青い果実

結んだ糸がプツリと切れて 収穫するには早すぎる青い果実は ぐちゃりと落ちました誰の仕業と思いあぐね 途方にくれていましたらカラスがわたしにクチバシ向けて カーと鳴いて飛んでいった ********************************…

懐古の矢

目頭の奥にある 青い太陽は 苦々しく眩しい 懐古の空を見上げ 大きく息を吐き出したのは 嘆くためじゃない 吸い込むためだ 憂うためじゃない 或りし矢で射るためだ 未来を****************************************…

ぬる燗

昔に帰ることはできないけれど 昔に戻って今を語るほんの一時のタイムスリップには ぬる燗がちょうどいいお前の駄目さより お前の素晴らしさが染みる俺の駄目さも 見過ごしてくれるかあったけーな生きてるだけで素晴らしいじゃないかもう一本だけいっとくか…

ポップコーン

弾けて躍れ ポップコーンはみ出しちゃいなよ ポップコーン小さな花になったなら飛び出しちゃいなよ ポップコーン****************************************************ライブ映像はこちら http://d.ha…

林檎

こんなに悲しいのは 立派な大木だからだこれから大きな林檎を成して あなたに渡すはずなのに食べる前に行ってしまうなんて 江戸っ子にもほどがある **************************************************…

餓え

我を食べ尽くせば 苦しみの先に カラカラになった精神は 鋭敏な刃物となり 刻む そして 喰らう 生を****************************************************ライブ映像はこちら http://d.hatena.ne.jp/t…

原石

渇ききった闇の奥底で ワインレッドの水晶が 鎮座している静かに 深く 呼吸をしているあれが俺の原石なのか****************************************************ライブ映像はこちら http://d.hatena.…

手と手を合わせた喜びは 忘れてしまうこともあるけれど手と手を合わせた悲しみは 忘れることはないけれど喜びも悲しみも 心の中には残っても 手の中には残らない手は心の入口なのかな **********************************…

はひふへほの詩

歯に衣を着せて 日に何度も頭を下げる 負にもたれて 屁にもならない強がりを 穂に宿して摘み取らんはひふへ歩 はひふへ歩****************************************************ライブ映像はこちら htt…

産声

地下深く眠っているまだ出会ったことのないわたしの声からっぽの世界に手を突っ込んで引き当ててやるんだ翼がついた産声を **************************早いもので一日一詩をはじめて100作りました。 詩とよべるほど大層なものでは…